(韓国 ハンギョレ 2007・11・4)
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/247967.html
“失敗した大連合政府”小沢に直撃弾
日本で、大連合政府推進失敗の、次の暴風が、自民党でなく民主党を強打している。小沢一郎民主党代表が4日、自民党と積極的に推進した大連合政府が、民主党幹部たちによって拒否されたところ、責任を取って急に辞意を表明した。
小沢代表はこの日、午後記者会見で“民主党幹部会議が大連合政府案に反対し、不信任と同じ状況になったため、結末をつける為に辞意を表明した”と明らかにした。かれは、“政策合意が成されて、生活が第一と言う民主党の政策が現実になれば大変良いこと”だとして、大連合政府に積極的だったことを認めた。
小沢代表は、大連合政府推進の過程で、党内外の強い反撥と非難を、正面で突破する為に再信任のカードで 電撃事態を発表したものと分析される。
民主党執行部が小沢代表の辞表を直ちに受理して新たな体制を準備するのは不透明だ。 まず、民主党が、7・29参議院選挙勝利を導いた小沢代表に対する衣存度が非常に大きいからだ。
前日だけまでにしても“次の衆議院選挙で過半数を獲得し政権交代が当面の目標”だと主張した彼が、どうして大連合の側に傾いたのか?かれは2日、党首脳部3者会議でも、悲観的内幕を打ち明けた。“(現在民主党が保有した)112(議席)を二倍の200に増やすことが出来るかは分からないが、それ以上は難しい。(毎日新聞4日)
“破壊者”という別名に相応しく、小沢代表の本能が表出したという分析もある。1993年非自民党8政派による、細川内閣の誕生を初めとして、99年自由党総裁の時期、自民党との連合に至るまで、各種政界改編と大連合の推進過程には、彼の名前が抜けることは無い。
経緯こそどうあろうとも、小沢代表が代表に復帰したとしても、党代表から政権獲得能力が落ちる政党として烙印を押された民主党は、相当な傷を負うこととなった。さらに、小沢代表も“裏表のある”姿がみえるものとして、党内の求心力低下は無論、有権者の信頼を失ってしまう政治的危機に置かれている。
7・29参議院選挙の圧勝を陣頭指揮して、大衆政治人の変身に成功するようだった小沢は、今回の騒動で、昔の暗い密室・裏談合の政治人のイメージで、逆回りして行った。最近、自身の政治団体の10億円台の不動産保有など、雑音が相次いで、旧態イメージがこそこそと言及される状態だった。
“大連合政府騒動”と、小沢“波動”は、対決と競争を通して、理想(政権交代、両党制政策)を実現するよりは、妥協と譲歩で、現実の安定と安全を企ててくる、日本式保守政治の限界が、もう一度、露見したのだと言うことができる。 (訳 柴野貞夫)
解説
日経連と、自民・公明政権によって、「いのち(命)と平和の危機」に晒された日本の民衆の意思は、7・29参議院選挙を通して、民主党を中心とする野党に託された。民衆は、小泉・安倍から福田へと引き継がれてきた「構造改革」路線を、なおも継続しようとする衆議院に対し、「国民の生活第一」を掲げる民主党を中心とする野党が、多数を占める参議院は、資本の収奪から民衆を守る橋頭保として、その思いを重ねたのだ。民衆にとって、国会での与野党対決や、「ねじれ」と法案審議の「混乱」こそ、自民政治を追い詰める戦いの力である。
密室での、小沢と福田の2回に亘る、「大連合政府」の謀議は、この福田による自民政治の継続に救いの手を差し伸べるものに他ならない。小沢は、テロ特措法を拒否し、「国民の生活第一を目指す」(民主党)政策と、日経連と自民党による弱者切捨て大企業優先、テロに名を借りた米国の侵略戦争への加担を継続する(福田政治)政策を、どのように、密室で「連合」しようとしたのであろうか。
小沢は、案の定、福田との間で「テロ特措法」と、自衛隊の「恒久派遣法」を取引に使い、自衛隊の海外での武力行使を(日本国憲法にもとずくことを否定し)国連の名の下に合法化をしようとしているのだ。小沢の、「構造改革」と「憲法改悪」を推進する自民党との連合政府は、民主党に対する民衆の幻想への「裏切り」と言うよりも、民衆を騙しつずけてきた民主党と小沢の政治的本質を晒すものに他ならない。
|